
着物といえば割烹着!
でも大正時代のカフェのような着物にフリルのエプロンも捨てがたいと思うのです。
以下朝食妄想です↓
「何だ…今朝は割烹着じゃねえのか…。」
再不斬さんのお茶碗をテーブルに置こうと俯いていた白は、その言葉に顔を上げました。
暖簾を片腕で持ち上げて、自分を見下ろす再不斬さんと目が合うと、にこりと微笑み白は口を開きます。
「おはようございます、再不斬さん。」
「あぁ、おはよう。」
すっと台所に音もなく入ってくると、再不斬さんは椅子に座って目の前の白をじっと見つめました。
蝶々柄の着物の上に身に着けているのは、いつもの真っ白い割烹着ではなく、フリルの付いたエプロンでした。
「晩御飯を作る際に、血抜きに失敗してしまったんです。」
白は困った表情を浮かべて再不斬さんを見つめます。
再不斬さんは昨夜のおかず…鶏の唐揚げを思い出して合点が行った表情を浮かべました。
「明日の朝はちゃんと割烹着きますから、元気だしてください。」
にこりと微笑んだ白を一瞥し、再不斬さんは箸を手に持ち両手を合わせます。
小さく「いただきます」と呟くと丼茶碗を手に持ち、もぐもぐとご飯を口に運び始めます。
白も手を合わせて挨拶すると、目の前にある日本昔ばなしに出てきそうな、大きなおにぎりを両手に持ってぱくりと一口かじりつきました。
「お前、おにぎり好きだよな。」
再不斬さんは見当違いなツッコミをかまします。
まあ、毎朝の事なので既に大きさはどうでもいいのでしょう。
「お茶碗に盛ったご飯よりいっぱい食べれますからね。」
ふふと白は笑って、もぐもぐと口を動かします。
白のおにぎりが好きな理由は、拾われた頃、朝ご飯に再不斬さんがよく作ってくれていたからなのです。
しかし、それを言うと照れてしまって再不斬さんが口を聞いてくれなくなるので、伝えたいのを白はぐっと我慢しました。
「具はなんだ?」
再不斬さんは味噌汁を一口すすると白に尋ねます。
「今日は鮭にしました。」
白はぱくりともう一口おにぎりを頬張ります。
そろそろ鮭が見えてきそうです。
「そういや昔、お前に作ってやったな。おにぎり。」
ぽつりと再不斬さんは呟きました。
白は驚いてその顔を見つめます。
「梅干しと鮭…あと何種類か一緒に作ったな。お前が何を好きなのか分からねえから…。」
その言葉に、白はぎゅうっと胸を締め付けられました。
拾われた頃、再不斬さんは忍刀七人衆として就任したばかりで、多忙な日々を送っていました。
そんな大変な時期でも、自分のことを気にかけてくれていたのです。
白の視界がぐにゃりと歪みます。
「おい、どうした?」
ふと白を見ると、おにぎりを握ったままぼろぼろと大粒の涙を流していました。
「骨でも刺さったのか?」
ふるふると白は首を振ると、おにぎりをお皿の上に置いて俯くと、顔を両手で隠しました。
「違…います…。再不…斬さんが…僕を…気に…かけて…。」
ぐいっと着物の袖で、白は涙を拭います。
それでも白の涙は止まりません。
「あんなに…多忙だったのに…。」
再不斬さんは腰を上げると、腕を伸ばして白の頭をくしゃっと撫でました。
「馬鹿が…泣くんじゃねえよ。」
頭をくしゃくしゃと撫でると、再不斬さんは手を離しました。
白の涙はどうやら止まったようです。
目元を赤くして、にこりと再不斬さんに笑いかけます。
「すみません。嬉しくて…。」
再不斬さんはふっと笑うと椅子に腰を下ろします。
「早く食え。冷めるぞ。」
白はこくりと頷くと、大きなおにぎりを手に取り、再びかじりつきました。
先程よりもしょっぱいそれは、幸せな味がしました。
おにぎりってお茶碗に盛ってる量より食べれませんか?何
再不斬さんが毎朝、小さい白の為におにぎり作ってたら素敵ですよね。
こいつの好き嫌いなんぞ分からん!おにぎりの具材で見分ける!!っていう。
余ったらお互いお昼に持って行くんですけど、昼食時に一緒に食べた朝食の時のことを思い出して、二人とも笑ってたらいいですね。
どんな時でも、繋がってる再不斬さんと白。
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