修行する白とそれを見る再不斬さん。
※ちゅーがあります。

「休憩だ。」
再不斬さんの声で、白は千本を構える手を止めました。
白は帯に千本を仕舞うと、木に寄り掛かりながら戦術に関する本に目を通していた再不斬さんの元へ走ります。
再不斬さんはパタンと本を閉じると胸元に仕舞い、代わりに何かを取り出します。
「手を出せ。」
白は素直に両手を顔の前に差し出します。
ポンと一つキャラメルの包み紙が置かれました。
白はぱあっと目を輝かせて、包みを開くと口にキャラメルを放り込みました。
「ありがとうございます、美味しいです。」
ふふふと笑うと白は再不斬さんを見上げます。
再不斬さんは屈んで自分の足元に置いてある、ペットボトルを手に持ちました。
そして蓋を開けると白に差し出します。
白の小さな手が大きな再不斬さんの手に触れます。
「ありがとうございます。」
再不斬さんは手を離しました。
白はごくごくと美味しそうに水を飲み干します。
再不斬さんはそんな白を一瞥し、千本の撃ちこまれた的を見つめます。
それは人型で、急所を確実に狙えるように、再不斬さんが作ったものでした。
心臓部分や目の部分に集中して打ち込まれています。
再不斬さんはすっと手を伸ばし白の頭を撫でました。
「ひゃっ！」
白は急に頭を撫でられたので、びっくりして変な声を上げて目を閉じました。
再不斬さんは一瞬動きを止めましたが、気にせずわしわしと頭を撫でました。
白は目をそっと開けましたが、再不斬さんの腕しか見えず、表情を窺うことは出来ませんでした。
再不斬さんは手を離し、白からペットボトルを奪います。
顔に巻いてある包帯をずらし、ごくりと一口飲む再不斬さんを白は見つめます。
『男らしくて…素敵だな…。』
口内のキャラメルを白は舌で転がします。
そして自分の伸びた髪の毛をちょんと引っ張りました。
再不斬さんは白の頬に手を当てました。
「美味いか？」
白は驚きつつも、こくんと頷きます。
再不斬さんの顔がぐいと近づいてきます。
「ん！」
ちゅっと唇が触れ合い、びくんと白は体を震わせ硬直しました。
再不斬さんは白の後頭部に手を回し、さらに深く口吻てきます。
白は自分に何が起きているのか分からず、ただ再不斬さんにされるがままになっています。
ぬっと白の口内に舌が侵入してきます。
「んう…うう…。」
くちゅくちゅと音が耳に届いて白は恥ずかしくなってきました。
白はこういった類の口吻を知りません。
脳内がふわふわとしてなんとも言えない気分になってきます。
「は…あ…。」
ちゅっと音を立て唇が離れると、白の口内の小さくなったキャラメルは、再不斬さんの口内へ奪われました。
再不斬さんはごくんとそれを飲み込み、ペットボトルの水をごくごくと飲み干します。
「甘いな……白よ。」
白は頬を赤くし、はあはあと荒く呼吸をしながら再不斬さんを見上げました。
逆光でその表情は窺うことは叶いません。
「手合わせしてやる。勝ったら何でもお前の願いを聞いてやろう。」
白はぎゅっと胸元を掴んで、視線を地面に落とします。
そして小さな声で訊きました。
「…僕がもし勝てたら…さっきの行為をもう一度してくれますか？」
白は再不斬さんをちらりと見上げました。
再不斬さんは少し体を動かし、白を見下ろしました。
「ふ…いいだろう。」
目を閉じ、いつもの様に笑う再不斬さんを見て、白はにこりと微笑むと帯から千本を取り出します。
「ハンデをやる。首切り包丁とサイレントキリングは使わない。」
再不斬さんはそう言うとクナイを取り出し身構えました。
「はい。」
白は返事をするとぐっと腰を落とし、前方の再不斬さんに向かって千本を投げるのでした。


再不斬さんは糖分補給のために白にキャラメルをあげていたらいいなと思って書き始めました。
白は初め修行のご褒美に貰っていると思っていましたが、途中で糖分補給と気づいて真っ赤になるといいですね。
なに勘違いしてたんだろう…僕…みたいな。
再不斬さんは白がキャラメルを美味しそうに食べているのを見て、俺にも寄越せといった感じでちゅーさせてみました。
白が何歳設定か考えずに書いたので、お好きな年齢で妄想してください。

[3回]