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同人イラストブログです。 NARUTOの再不斬さんと白を描いてます。 pixivはこちらhttp://www.pixiv.net/member.php?id=4907356 pixivでは小説も書いてます。
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妄想:天上天下の世界

白と再不斬さんが夜空の下でお話してます。
「まるで穴の底にいるようですね。」
 満月を見上げながら、白は隣で背を向けている再不斬さんに話しかけました。
 雲ひとつない空に、ぽっかりと浮かぶ月。
 白にはそれが、この世界からの出口に見えました。
 再不斬さんは振り返ると白を見下ろして腕を組みます。
「あの向こう側が…出口なんですかね。」
 地面に無情にも転がる死体を見下ろしながら、白は呟きます。
 長い睫毛の間から伏せられた瞳が、月光に反射する様を再不斬さんはじっと見つめました。
 白は柔らかな光に照らされ、その縁取りは限りなく銀色に近く輝いています。
 目の前の少年は、自分のいる世界とは違う、幻想の世界の住人のようで…『幽玄』という二文字が心に浮かび、再不斬さんはふっと笑いました。
「あっちが出口とは限らねえ。」
 その言葉に白は顔を上げて、再不斬さんを見上げました。
 いつもより柔らかな表情に見えるのは、降り注ぐ月の光が原因なのかなと、白は思いました。
 きりりとしたその瞳に差し込む光…太陽の下とは違うその光。
 白はうっとりとその瞳を見つめます。
 綺麗だ…と、白は心の中で呟き、口を開きました。
「どういう意味でしょう?」
 再不斬さんはクイッと顎をしゃくりました。
 上を見ろということなのだろうと、白は空を見上げます。
 夜空は、先ほどと変わらず雲一つ無く月がほっかりと浮かんでいました。
「宇宙(そら)は、上下左右なぞ関係ないそうだぞ。」
 白はじいっと月のその向こう…宇宙(そら)を見つめようと目を凝らしました。
 どこまでも群青色、墨色の世界しか見えませんでした。
「天上天下の世界。」
 静かに再不斬さんの言葉を耳で受け取りながら、白は夜空を見上げます。
 その瞳に月だけでなく星の光も差し込み、小さな宇宙が広がっていました。
 再不斬さんはふっと笑うと、視線を空へ向けました。
「こっちが宇宙(そら)の出口かもしれねえなあ。」
 どこまでも遠い。
 手を伸ばしても届きもしない宇宙(そら)を、二人はじっと見上げたのでした。


 どちらが出口なんでしょうかね?

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